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日本初等理科教育研究会 編集
初等理科教育
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2005年3月号 No488
特集:豊かな「挫折」がある授業
3月号表紙
  • 座談会 練り上げのある授業について考える
    新井良和,山口哲司,仲川隆雄,大館信浩,牧野宏,松澤忠明
  • 練り上げによる発展性のある授業にするために 大西秀彦
  • 教師が創る練り上げのある授業 稲毛英三
  • 子ども一人ひとりの個性を生かした昆虫ワールドづくり
    ―3年「こん虫をさがそう」単元をとおして― 馬場大輔
  • 自分の考えをもち,ねばり強く追究できる子どもの育成
    ―4年「ものの温度とかさ」― 小田孝仁
  • 溶解にかかわる個々の見方や考え方を高めていく授業 ―5・6年複式
    「とけるってどうなること?〜もののとけ方(5年)〜」― 高橋泰道


 「個に応じた指導」が授業のキーワードになって久しい。この「個に応じた指導」を念頭に置いた授業では,「一人ひとりの学び」を授業者がどう考えているかが重要である。そのうえで,一人ひとりのなかで繰り広げられる「学び」では,学習者が授業をとおして獲得したものを情報交換したり,自分の五感を使って確かめたりしていくことで,「個の学び」がより確かなものになっていくと考える。さらに,個の学習場面では,柔軟な学習形態や多様な方法による情報交換に重点が置かれ,授業が展開されなければならない。
 しかし,その前に,指導者が学習者一人ひとりの「学ぶこと」をどう考えておくかということも大切である。実験・観察の場面では,〈前提とする学ぶ力〉と単元や本時の活動をとおして〈新たに育つであろう「学ぶ力」〉も「学ぶこと」に深くかかわっている。そして,収集した情報を整理,検討するなかで自分の考えを明確にしていくことや新たな発見,気づきなどもこの「学ぶこと」に含まれていることも忘れてはならない。学習のなかでは,「自分としての考え」を価値あるものとするために,他の事象や友達の考えとのすり合わせをとおし,それぞれの「考え」の妥当性について検討したり,評価したりする場面が必要であろう。理科における「一人ひとりの学び」のありかたが,「練り上げ」をとおして,いっそう明確になっていくのではないかと考えている。(担当 松澤 忠明)
  

Back Number

2月号 豊かな「挫折」がある授業
1月号 自然を豊かに感じ、確かな科学を築く
12月号 発展的な学習のアイデア
11月号 「問題解決」の原点
10月号 対話で変わる子どもの見方や考え方
09月号 わかる理科授業をめざして
08月号 21世紀型の教材研究
07月号 子どものつくる「問題」、教師の考える「問題」
06月号 みがけ! 感性
05月号 専門家の協力を得た授業
04月増刊号 小学校理科授業のレベルアップ読本
04月号 確かな学力を育てる理科授業
03月号 長期記憶に残る理科授業の工夫
02月号 「問題解決と学力を問う」
01月号 理科嫌いをなくす授業をめざして
12月号 予習と理科学習
11月号 「わくわく導入」のあり方
10月号 科学的思考を育てる「基礎・基本」
09月号 ポートフォリオを生かす
08月号 教師の指導力を問う
07月号 ものづくりで科学する力を
06月号 どうする? 発展的・補充的な学習
05月号 飼育・栽培の楽しみ
05月号 増刊 楽しい理科の導入の工夫
04月号 ワンランク上の学力をつけたい
03月号 学習指導要領をみつめなおす
02月号 学力低下への緊急提言
01月号 理科から総合へ
12月号 海外の理科教育に学ぶ
11月号 絶対評価 私の実践
10月号 地域とつながる理科教育
09月号 わかる喜びをめざす理科の授業
08月号 教材化を図る教師の眼
07月号 自然体験活動のすすめ方
06月号 理科の授業と仲間づくり
05月号 センス・オブ・ワンダーの心を育てる
05月号 増刊 理科に役立つ栽培作物
04月号 「豊かな心」にどこまで迫れるか
03月号 感動を表現する子どもを育てる
02月号 現代日本の理科離れの危機
01月号 子どもの仮説が生きる授業
12月号 IT革命と理科授業
11月号 子どもが協同しあう授業の創造
10月号 ものづくりをどう位置づけるか
09月号 理科で育つ学力
08月号 「わかる」授業から「わかりあう」授業へ
07月号 事実を大事にした授業
06月号 生命観を養う理科授業
05月号 地域の自然 目のつけどころ
05月号 増刊 もっと活かそう学校環境
04月号 特集:私の考える「よい授業」
03月号 特集:心に残る授業
02月号 特集:理科で育つ資質や能力
01月号 特集:心の世紀と理科の教育


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