- 特別寄稿 子どもの見方・考え方の育て方 武村重和
- 論説 子どもの特性をとらえた教師のかかわり方 九津見幸男
- 論説 子どもの見方や考え方が生きる学習へ―子どものもつイメージを変容させる― 和泉浩行
- 主題研究 多面的・総合的な見方や考え方の育成を図る理科学習―6年「生き物のくらしと環境」の実践を通して― 高橋泰道
- 主題研究 新たな自然の見方を育てる自由ノート 高山裕一
- 実践報告 一人ひとりをとらえ,生かす理科学習―4年「つなぎ方でこんなに違うの?―電気のはたらき―」― 原啓一朗
- 実践報告の舞台裏 児童一人ひとりの学びを育む基盤となる教師の授業仮説 平野俊英
見方や考え方 自然事象 授業の枠組み 思考の変容過程
近年,指導方法や指導形態,教材の価値,評価方法などについての議論が多く行われている。これらの議論のなかで,子ども一人ひとりの見方や考え方に目が向けられているということはあまり感じられない。
「子どもの見方や考え方をとらえる」と言ったとき,とらえる側の教師は,子どもたちへの願いを明らかにしたうえで子ども観察を行い,その結果を教材となる自然事象の吟味・検討,学習計画の構想など,授業の枠組みのあり方に生かしている。また,子ども一人ひとりの思考の変容過程をさぐる子ども分析により,授業でのはたらきかけや学習評価に生かしている。一方,とらえられる側の子どもは,自らの見方や考え方を表出するうえで,授業者・評価者としての教師の目を意識し,調整したうえで,自分にとってよりよいとらえをしてもらおうとしていく。このように考えると,教師が日常的に目の前にいる子どもをどのようにとらえ,その子どもたちにとって最善の方策をさぐって学習を創り,科学的な見方や考え方への変容をめざす授業づくりをしていくことの重要性が感じられる。
今号では,「子どもの見方や考え方をとらえる」ことの意義や方策を先生方の理論や実践から感じることができたらと考えている。(担当/原 啓一朗)
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