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日本初等理科教育研究会 編集 2006年6月号 No505 特集 「表現力」を理科で鍛える | ||
◆PISA(国際学習到達度調査)2003年調査の結果が発表されたとき,読解力が前回の8位から14位に低下したことが大きく報道されました。 ここで言う「読解力」とは何か,次のように規定されています。 読解力とは,「自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれたテキストを理解し,利用し,熟考する能力」である。 このような総合的な能力である「読解力」を高めるためには,情報をいかに受信するかという側面に加え,情報をいかに発信……つまり「表現」させるかという指導アプローチが必要となってくるはずです。 ◆内的に保持された情報(心的表象)を変換し,再構成することが思考の働きの1つです。その働きを促進させるためには,言語化して書いたり話し合ったり,図や表に表現してみたり,実際に観察・実験してみたりと,表象を外化・表現することが不可欠です。 その中でも「言語化」は,その中核となる表現といえます。人は,心的表象を言語化することによって自然の事物・現象を認識し,自分の考えを顕在化させます。さらに,自分の考えが妥当であるかを吟味したり,問題解決のプロセスを検討したりすることが可能となります。また,仲間と情報(理論)を共有するためには,当然「ことば」によるコミュニケーションが必要となります。 しかし,「言語」だけでは,円滑な情報交換はできないことも確かです。そこで,「図式」や「ジェスチャー」によるイメージの共有が必要となり,互いに補完することによって,学習における「表現」の機能はさらに高まっていきます。そして,子どもそれぞれの理論的立場が明確になり,友達との共同思考もできることになります。 ◆観察・実験をしただけでは,理科学習に求められる「表現力」は育ちません。自然の事物・現象に対する事実認識に,言語化やイメージ化といった子どもの「表現」がどのように関わっているのかを,この機会に考えてみたいと思います。(担当/佐々木昭弘) | ||
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