- 座談会 感性をみがく理科教育
平松不二夫,杉田信,露木和男,毛利澄夫,淺野千秋,田村高広
- 論 説 科学のセンスを養う理科教育 永野 重史
- 論 説 感性をみがく 清水 堯
- 主題研究 「みずみずしい感性」をみがく理科授業 布施 司
- 主題研究 不思議の力は何よりも勝る!
―数を競う活動よりも,考えることの楽しさへと導く授業―
勝治 雄紀
- 主題研究 ともに「感性をみがく」ために 遠藤 謙一
昨年(平成17年)11月に日本初等理科教育研究会全国大会が千葉で行われました。千葉大会のテーマは「問題解決の力をはぐくむ―感性をみがく―」でした。千葉大会では,感性を次のように捉えました。
感性 五感を十分に働かせてさまざまな情報を対象から獲得し,既有の経験や友達との情報交換により,客観的な論理を創るまでの働き
そして,感性をみがくとは,新しい視点で事物・現象を見直し,自分なりの論理を持つことができるようになるまでのことと捉えました。
理科の授業のなかで,「よく見なさい」といってしまうことがあります。それは,教師が意図しているところを子どもが見ていないからです。そんなことを言わなくても,「チューリップのつぼみは,緑なのにどうして赤い花がさくのかな」「出てきた白い粉は,溶かしたアルミよりも多いようだよ」というように見ることができる子どもに育てたいものです。
千葉大会では,系統性のある単元構成や教材研究など,多くの成果をあげることができました。しかし,子どもの視点を焦点づける手立てや,子どものわかり方の捉えなど,いくつかの点で課題も残りました。この課題は,一朝一夕に解決できるようなものではありません。そこで,全国大会での反省や,新たな視点での感性を考えることで,感性をみがく理科教育の今後を考える機会としたいと思います。そして,小さな一歩を積み重ねることで,残された課題を少しでも解決していきたいと考えます。(担当/田村 高広)
|