- インタビュー 日本ネイチャーゲーム協会理事長 降旗信一氏に聞く
自然との一体感を味わいませんか
- 論 説 充実した話し合いには聞く力が必須である
―話し合い活動を深めるキーワードとは― 山田 雅彦
- 論 説 子どもの考える力を伸ばす話し合い 末永 昇一
- 主題研究 子どもたちが「話し合う必要性」を感じる授業 佐伯 英人
- 主題研究 自分の考えを知ることを大切に 島 章人
- 主題研究 対話を成立させる要素 岡村 眞一
「水に溶けた食塩は,見えないけれど,消えたわけではないと思うよ。でも,食塩を入れた分より,少し重さは軽くなっていると思うよ」「溶けた食塩は,水を含んだ感じになるので,もっと重くなるのかな」「重さが変わるなんてへんだと思うよ」
子どもたちが,実験や観察をするなかで,議論しあう。そこには,1人ではない協同での学びのよさがある。話し合いが行われるなかで,問題が明確になったり,解決の糸口がみえたり,豊かな発想につながったりする。
しかし,たくさんの子がいれば,そこから話し合いが深まるというものでもないだろう。そのためのキーワードは何であろうか。
当然のことではあるが,一つの要素ではなく,多くの要素が絡んでくることは確かである。グループを組む,その集団で同じ目的をもった実験をする,話し合いの時間を設定するといったことも,話し合いが深まるための一つの要素であることには違いない。
しかし,それを行っても,なかなか話し合いが深まらないのが現実ではないだろうか。それぞれが意見を言っているようでも,自分の考えを主張したい子が主張しているだけであったり,目的にせまる話し合いにならなかったりしがちである。
本号で深めたいことは,話し合いを深めるために必要な多くの要素の中で,何が重要なキーワードになるかということである。話し合いが活発になるためのキーワードが明確になれば,それを中心に考え,それぞれの実態にあわせた授業構成が可能になってくると考えているのである。
1+1=1というような話し合いになりがちであるが,1+1=2,もっといえば1+1=3になるような効果を生む話し合いが行われるためのキーワードを探ってみたい。(担当/鷲見 辰美)
|