- 座談会 若手教師,単元構成について語り合う
矢野聖也,蓮見慎哉,高岡洋介,西村功,白岩等
- 論 説 新しい時代の教育の創造を目指す 石川 正光
- 論 説 教師の生命線とも言える「単元構成」の持つ意味 久保 敏則
- 主題研究 子どもの思いに寄り添った単元構成の工夫 鈴木理枝子
- 主題研究 生物と環境を一体視する大単元の単元構成 山名 正記
- 主題研究 子どもが主体的に観察・実験に取り組む理科授業
小島ふみ子
今,学力問題が取りざたされている。確かに子どもたちにきちんとした学力を定着させることは大切である。しかしながら,ややもすると学力=知識・理解という捉え方をする傾向が強まってきている。
知識・理解は確かに大切である。しかしそれは,与えられるものではなく,子ども自らが獲得していくものである。そのためには,子ども自らが問題解決を体験していくことが必要不可欠である。つまり,問題解決とは,未知を知にしていく思考活動そのものであるからである。
以上のことを考えたとき,単元構成をしっかりと考えるということが,非常に大切になってくる。
ところが,学力低下問題から知識を重視するあまり,最近,単元構成そのものが軽く扱われている傾向が見受けられる。つまり,単元構成そのものが単なる内容の羅列になっていて,授業者の意図,考えが伝わってこないことが多くなってきたような気がしてならない。本来,単元構成というものは,授業者がどこにねらいを置くかによって変わってくるものである。つまり,教育的ねらいを持って構成されるべきものであると考える。
日本初等理科教育研究会では,これまで子どもの発達と問題解決という視点から,「子どものわかり方」を大切に扱ってきた。
本号では,これらのことから今一度原点に立ち返り,子どもの側に立ち,子どものわかり方,認識の段階に即して,子ども自らが創造的に知的体系,価値の体系を構築していくためには,どのように単元を構成をしていったらよいかということを考えていきたい。(担当/白岩 等)
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