- 子どもの論理を追い求めて 山口令司
- 理科につなげる生活科の学ばせ方 野田敦敬
- 見方や考え方を育てる問題解決の活動 神谷和憲
- 生物の営みを主体的に観察し,
自然に対する思いや考えを深める子どもの育成
─4年「季節と生き物,ツバメを観察して小豆坂の自然を知ろう」の実践より─ 池田芳浩
- 自然事象に疑問を抱き,主体的に追究できる子どもの育成
─試行から思考を繰り返す問題解決学習
3年「輪っ!! すごいね,豆電球」の実践を通して─ 坂田周一
- かかわりを通して,科学的な見方・考え方を広げ,
主体的に問題解決に取り組む子の育成
─4年「もののあたたまり方を調べよう」の実践を通して─ 村瀬隆一
理科離れが叫ばれる昨今,子どもたちを理科嫌いにしている原因を,もう一度考えなければならない。子どもたちは,自然や科学は大好きである。それなのに理科は苦手と離れていってしまうのは,子どもに原因があるのではなく,教師を含めた大人,または社会に原因がある。子どもの興味・関心を高める教材,実験を準備すること,知識をしっかりと定着させることは大事であるが,今,その子がもっている見方や考え方に沿ったものになっているのだろうか。
子どもが真に理科や科学を好きになっていくためには,おもしろい実験・新たな知識を与えるだけではだめなことはわかっている。それは,身の回りにある自然事象に問題意識をもち,自分の見方や考え方で解決し,納得したときである。身の回りにあるということは,その子の生活のなかですでに体験していることであり,突然,見たことも聞いたこともないことを出されても,受け入れることは難しい。何が起こっているのかイメージもできないし,当然,問題意識ももてず,わかったという達成感はない。つまり,子どもが自然を理解する喜びを得るためには,その子の今までの経験や発達段階での見方や考え方を大事にすることが必要である。
今月号では,初等理科教育研究会三河支部として追究している「子どもの発達と問題解決」をテーマとして,問題解決的な学習のあり方について,各先生方の理論と実践から考えを少しでも深められたらと思っている。
(担当/福井信也)
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