- 座談会 若手教員,発問の悩みを語る
金田健一,福田英利,高瀬尚子,山本武,露木和男
- 論 説 教師の働きかけから発問を考える
―恩師に学んだ理科授業のあり方― 小田切真
- 論 説 「発問」を支えているもの 向後秀樹
- 主題研究 子どもたちが学びの筋道をつくり出せる発問のあり方とは 山本 巌
- 主題研究 児童を生かす発問のあり方を考える
―3年 光の性質を事例に― 土居琢磨
- 主題研究 てことつりあいを通して発問を考える 恒川 徹
授業を計画する段階で,「この場面では,どんな発問をすればよいのか」「ねらいに迫るためには,どんな補助発問を用意しておけばよいのか」迷ったこと,困ったことはないだろうか。
今月号では,発問のあり方を論じていただき,発問の持つ機能の実際を授業実践のなかで紹介していく。
発問には,子どもを生かすよい発問と,そうでない発問とがある。また,授業を深めるよい発問と,そうでない発問とがある。
よい発問とは,次のような機能を持っている。
- 子どもの無意識を意識化する「視点を明確にする」発問。
- 子どもの「視点を転換させる」発問。
- 子どもの思考,活動を「まとめさせる」発問。
また,発問を投げかける教師の側にも,よい発問をするための要素がある。
この「目線」が見取るものは,子どもの今ある状況や思いであり,子どものこれまでの活動の過程であり,子どもが今持っている技能,知識である。この「目線」を持つことで,子どもから問いを生じさせることもできる。
- 目の前の子どもや場面,状況に応じられる「対応力」を発揮すること。
授業計画で用意していた発問のほかにも,いざ授業になると,とっさに発問を繰り出さなければならないこともある。子どもの視点と教師のねらいがずれてしまった,子どもの考え方や解決方法が単一になってしまったなど,教師はそれらに対応した発問も考えていく。
- 「指導と評価」を一体としてとらえる意識を持つこと。
目の前の子どもの状況を常に見取り,教材の持つねらいに沿った発問を投げかけていく意識が必要になる。発問を投げかけたときに,どう活動したらよいのかわからないとか,どう考えたらよいのかわからないという子どももいるだろう。そのような子どもを導くための発問も用意しておかなければならない。
今月号の授業実践のなかで,どんな場面や状況で,どんな発問が投げかけられているのかを見ていただきたい。また,その背景に,どんな「目線」があったのかを,読み取っていただきたい。 (担当/丸山 典雄)
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