- 特集キーワード 森田和良
- インタビュー 安彦忠彦氏に聞く/改訂の趣旨を理解した授業改善の工夫を
- 理科における言語活動の充実 村山哲哉
- 言語活動は,「自己説明」からはじめよう 森田和良
- 「言語活動」を活性化し,考えを深める理科学習
─イメージ図の活用と意見交換場面の工夫を通して─ 新名敦
- 自らの考えを繰り返し表現したことをもとにした話合い活動
─5学年「溶けた物のゆくえをさぐろう!〜物の溶け方〜」の実践を通して─ 深田剛生
- 理科で必要な「言語力」とは 寺本貴啓
新学習指導要領では,「言語活動」の重視が改善重点事項としてあげられた。さらに,「言語活動」は,すべての教科・領域を通して行うことも述べられている。学習したことを的確に言語化する活動は,「わかる」ことにつながる効果的な活動なので,とても重要である。
理科という自然の事象を扱う教科で行う「言語活動」では,対象が自然の事象,つまり非連続型テキストといわれる内容なので,対象から情報を読み解く主体は,自分自身となる。
自分の持つフィルターを通して自然を読み解く。そのときには,既有知識や体験から意識した視点を持って,自然からの情報を吟味することになる。そして,より正確に分析し多面的に判断し,変化のしくみや意味を理解して説明することになる。この一連の問題解決の活動は,自然事象とのかかわりという「体験」を「言語化」していくプロセスをとる。それは,自分のもつフィルターへの吟味も含めて,自分のわかりを「振り返る」活動となるだろう。この言語化へのプロセスを経ることで,「実感を伴った理解」が実現できるだろう。
本号では,理科における「言語活動」の具体を,理論面と実践事例という具体面の両面から明らかにしたい。
(担当/森田和良)
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