- 6学年「電気の利用」の教材活用 教材提供:株式会社 ヤガミ
- 特集キーワード 鷲見辰美
- しながわ水族館探訪記──三橋孝夫館長にお話を伺いながら
- 「ものと重さ」の単元での物質観 元木 徹
- 新内容(生物)の成果と課題 鷲見辰美
- 内容の学年移動によって見えた課題
─その克服のための具体的実践─ 中野正俊
- 3学年「風やゴムの働き」の試行
─ねらった所にピタリと止めよう─ 大森尚慶
- 5学年「水中の小さな生き物」
─実感を伴う単元構成「Myけんび鏡」の実践から─ 松山修司
新学習指導要領では,新たな単元が増えた。同じ単元でも内容が追加されているものもあれば,学習する学年が変更になったものもある。それらのほとんどは先行実施されてきたので,実践も積み重ねられ,成果や課題が見えはじめている。本号では,新単元の学習における成果と課題について特集した。
3学年・単元「物と重さ」では,粘土をいろいろな形に変えて,その重さが変わらないことを学習する。粘土の形をいろいろ変えて,その重さをはかることで,子どもたちは物の出入りがない限り重さは変わらないことを一度は認識する。しかし,それで子どもたちに質量保存の概念が定着するかと言えば,そうでもない。教材を折り紙に変えただけで,子どもたちの思いは揺らいでしまうのである。
その一方で,この単元を学習することにより,ほかの学年の学習単元で,子どもたちの思考表現が深まる成果も感じている。5学年・単元「物の溶け方」において,食塩を溶かした水の重さが変わらないと学習したことを根拠にして,予想することができる子どもの姿が見られたりする。
このような成果と課題が,それぞれの新単元,新内容に見られるのではないだろうか。先行実施されてから2年半という短い期間ではあるが,実践初期であるからこそ,今後の指導の方向性を見失わないように,成果と課題を見直し,その対策を吟味したいと考えている。
新単元・新内容
3学年(身近な自然の観察,風やゴムの働き,物と重さ)
4学年(人の体のつくりと運動,天気の様子)
5学年(電流の働き,水中の小さな生き物,雲)
6学年(てこの規則性,月と太陽,電気の利用,水の通り道,肝臓・腎臓)
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(担当/鷲見 辰美)
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