- 3学年「物と重さ」の教材活用 教材提供:ケニス株式会社
- 特集
- 5学年「電流の働き」の教材活用 教材提供:株式会社ヤガミ
- 特集キーワード 森田和良
- インタビュー 森美樹氏・羽岡伸三郎氏に聞く
/科学は,やってみなくちゃわからない
- 小学校理科の教科特性と「科学的な思考・表現」の学習指導 村山哲哉
- 思考・表現を評価するポイント 森田和良
- 学習カードによる「科学的な思考・表現」の評価について 辻 健
- 科学的思考力を高める指導と評価
─書くことに着目した授業改善─ 八百板恵理子
- 妥当性・信頼性の高い「評価」を目指して
─学習状況が十分でない児童への手だてのあり方をさぐる─ 田中陽子
新学習指導要領の全面実施から1年がたった。改訂の趣旨を象徴するキーワード,例えば,「習得・活用・探究」「実感を伴った理解」「言語活動の充実」などに焦点を当てた授業提案が数多く見受けられた。新たな授業の試みに伴って,「評価」についても新しい工夫がなされてきている。
理科における観点別学習状況の評価観点は以下の通りである。
@自然事象への関心・意欲・態度
A科学的な思考・表現
B観察・実験の技能
C自然事象についての知識・理解
従来の評価観点から変更になったのは,「表現」の位置づけだ。これまでは「観察・実験の技能・表現」として位置けられていたが,新しい評価観点では,「科学的な思考・表現」となった。
これには,思考・判断したことを,その内容を表現する活動と一体的に評価するという意図がある。逆に言えば,表現した内容から,その児童の思考を評価するということになる。「表現した内容」から思考が評価できるので,たいへん評価しやすくなったが,児童が表現できなかったことは,評価対象にはなり得ない。だから,表現できなかった内容は,思考していないと判断される。その意味で,授業では,思考した内容をいかに言語化し表現させるかという,「言語活動」の充実が必然となる。
「言語活動」によって表出させた内容は,「思考・表現」の評価対象となる。児童の表出した内容を,どのような視点を定めて評価し,その後の指導にどのように生かしていくのか。授業実践とそれによって育つ子どもへの評価が一体になることによって,新たな試みの効果が検討できる。つまり,新しい試みでの「評価」が,新しい授業づくりを支える重要なポイントになるだろう。したがって,本号では,この「評価」に焦点を当てて特集を組むことにした。
言語活動によって表出された内容の“どの部分”を,“どのような視点”を設定して評価していくのか。そして,読み取った結果,学習状況が不十分だと判断した児童がいた場合には,“どのような指導”をするのか。さらに,評価の際に“留意すべき点”などについても,「思考・表現」の具体場面をもとに述べていただいたので,ぜひ参考にしてほしい。
(担当/森田 和良)
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