- 6学年「電気の利用」の教材活用 教材提供:ケニス株式会社
- 特集キーワード 金田健一
- インタビュー 武村重和氏に聞く/ケニアで生かされる日本の問題解決
- 導入で単元の善し悪しが決まるのだろうか 末永昇一
- ゴムの働きの概念変容を促す理科授業
─3学年「風やゴムのはたらき」─ 福地孝倫
- 「教材」のつながりを意識した導入
─4学年「空気の圧縮」と「空気の体積変化」─ 関川浩
- 3学年における小学校理科全体の導入について
─3学年「身近な自然の観察」を通して─ 金田健一
- 児童の素朴な見方を引き出す2枚の写真
─4学年「天気の様子 雲があると,あたたかくなるさむくなる!?」─ 佐々木直人
昨年4月に,全国学力・学習状況調査の教科として理科が加えられた。調査の結果をうけて,理科教育の充実に関心が高まっている。以前から,「理科離れを防ぐ」として「児童生徒の関心を引く」導入の工夫があげられている。
近年,話題となっている「おもしろ実験ショー」もその一つで,児童生徒の関心を引き,学習意欲を高めることができる。これまでの,いわゆる「導入の工夫」では,この関心・意欲を高めることに重点が置かれていたのではないだろうか。実際,学力・学習状況調査において,「理科の学習は好き」と回答した児童は約82%(国語約63%,算数約65%)と,他教科に比べて高かった。
しかしながら,好きと答える児童が多い一方で,「理科の勉強は大切だと思う」「学習したことは,将来,役に立つと思う」の質問では,国語,算数よりも悪い結果となっている。理科の学習については「楽しいけれど,役に立たない」と,多くの児童が感じているのではないだろうか。また,知識・理解や思考力・判断力・表現力などについても課題は多い。児童に学力をバランスよく身につけさせる必要があるといえる。
そこで,問題解決の過程に沿って,導入の役割について考えてみたい。導入で求められるのは,自然の事象に対して関心や意欲を持って,児童が「問いを持つこと」であるといえる。そして,子どもたちが追究し続けたいと思うような問いを持たせ続けたり,問題を解決することでさらに新たな問いが生まれたりする自然事象とふれあう学習を続けていきたい。そんな単元構成をすることが,我われには求められているのではないだろうか。
今月号では,全国の先生方の実践を通して,子どもたちが問いを持ち続ける導入の工夫について考えていきたい。
(担当/金田 健一)
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